串本ロケットカイロス打ち上げ!!
3月13日、実家の町和歌山県串本町から、スペースワンのロケット、カイロスの打ち上げがありました。
結果は、飛行中断システムが作動して、数秒で爆破。失敗のニュースが駆け巡りました。
9日、1回目のトライでは、警戒区域内に船舶が侵入して、打ち上げ自体が中止。
2回目こそはと、多くの人の期待を集めていましたが、ロケットはわずか5秒で、大きな音と共に煙をあげて形をなくしてしまいました。
カイロスには、地上からの司令破壊システムがなく、ロケット自体が異常を感知したら、自動爆破になるよう設計されているのだそうで、今回は、それが作動した模様です。
一時、山火事も心配されたましたが、それもなく、炎や煙も終息したようです。
地上波のテレビニュースでも、「失敗」「残念」という言葉が飛び交いました。私も、まあこんなもんかなあ。。。これからどうなるんだろう・・・と、心配になりました。
そのタイミングで、宇宙レポーターとしてお馴染みの、戸梶渉さんが、カイロスにエールを送るため、スペースX社の動画を、Xで紹介してくれていました。私はそれを見て、ちょっと驚きました。
それは!!
なんと、あの、毎回絶対人を死なせることなく!国際宇宙ステーションに、宇宙飛行士たちを運び続けている、天下のSpaceX社の、ブースター開発の映像でした。
開発といえば、聞こえはいいですが、いわゆるそれは!「失敗映像」!!!!
ブースターとは、打ち上げた後、仕事を終えて、毎回スペースポートに戻ってくる、ロケットの下の部分のことです。私も、スペースXの打ち上げを見て、なんと上手に地上に戻ってきて「立ったまま」着陸するうのだろうと、いつも感心していました。
私が見る限り、このスペースXのロケットは、本当に失敗をしません。人の命がかかっているのですから、失敗は許されるわけがないのですが、こんなに失敗せずに、宇宙に行けるなんて、すごいな〜といつも思っていたのです。
ところが!!
戸梶さんが紹介してくれた映像には、このブースターが、次々に、何機も何機も失敗する様子が写っていました。
あるものは、なにもない海の上に着陸しようとしてそのまま沈んでいき、あるものは、草原の上でバランスを崩して爆発。バラバラと落ちる機体の破片や、残骸。あと少しで着陸なのに、降り損なって爆発。海の上で踊る。着陸したのに、倒れる。着陸で打ち付けられて爆発。最後にようやくよろよろ立って成功したかと思えば、その次の機は勢いがつきすぎてそのまま激しく垂直に尻もちをついて炎上。
そんな繰り返しを経て、ようやく、すべての機体が、静かに降り立つようになるまでの、紆余曲折の様子がつながれていました。
最後に、まとを外さず無事こともなげにまっすぐ降り立ったブースターの姿は、輝いているようでした。
私は、これを見て、ああそういうことか。
あの鉄壁のようなスペースX社は、これだけ失敗して試行錯誤してきたから、今、自信があるんだ!あらゆる失敗をして、その想定ができていて、それを防ぐためのあらゆる手順を踏んで、今日のロケットを製作しているんだと、知ったのです。
スペースX社は、その映像を公式チャンネルで編集して、公開しています。
そのSpaceX社の、失敗映像は、こちら!!
なるほど、これなら、串本のロケットも、失敗するさ!まだまだ、経験が足りない。スペースXだってあれだけ失敗しまくりなのだから。
失敗映像を集めて笑えるくらじゃないと、一人前じゃない。
今回、ロケットが落ちたのはスペースワン敷地内。被害者なし、炎も鎮火。異常があれば、自爆できる能力があるのもわかった。
これは、かなり頑張った。
むしろ私は、ロケットが楽しみになった。
メディアなどによると、次の、打ち上げは、1年後くらいになるのではないかとのことですが、いつになるでしょうか。
多くの人が来てくれて、ロケットを応援してくれたことは、町にとっても、素晴らしい経験になったと思います。
皆さん、本当にありがとうございます。