耳栓をして街を歩く~雨天決行!
短大中庭の大もみじは、いよいよ!だんだんと赤みを帯びてきました。ここから1~2週間の変化が楽しみです。
今週の短大は、寒い雨の授業。
この秋一番の冷え込み、6.5度の気温の中で、耳栓体験となりました。
雨も心配されましたが、どうやら朝が本降り、午後からは気にならない程度になりました。
今年も、学生たちは、聞こえない人の立場に立ってみようということで、5~6人のチームで1枚の地図を持ち、耳栓をして学校周辺を歩きました。企画中は、コミュニケーション条件も聞こえない人に近づけるため「音声禁止」(相手の耳に声が届いてしまうと、その人が聞こえない体験ができなくなるからです)。使っていいのは、習いたての手話や指文字、みぶり、携帯の文字会話など。地図には、自動販売機やマンホールなど、あらかじめ決められた7つのポイントがあり、グループで必ず話し合わなければいけないミッションが記されています。それらをクリアして帰ってきてもらうというのが、体験の主な内容です。みんなにとっては、ささやかな冒険体験でもあります。
雨の日は、傘があり、片手で合図を送り合うのが大変。傘で、より後ろの気配が分からない。。。
先に行った友達は、声では呼び戻せないから走って行って肩を叩く、わざわざLINEで連絡するなど、みんなで一緒に行動するにも、工夫が必要です。
みんなで歩いてみれば、「うまく伝えられなし、だまってよ。ま、いっか。と思った。」とか、「みんなで一緒に話すのは、難しい。」という感想を言ってくれる学生たちもいます。
耳栓なんて、たいして聞こえにくくはならないだろうと思っていても、いざ、教室に戻って、耳栓をはずしてみると・・・空調や、隣の席の学生のペンの音、雨の音、風で木が揺れる音、隣のクラスの先生の声!しかも英語だ!とか、廊下の向こうの若者の笑い声、見えてなどいない遠くの道の車のクラクションなど・・・様々な音が、耳に一気に飛び込んできます。
これが、「聞こえる」ということ。
もしかしたら、こうした音は、聞こえない人の耳には、入っていないかもしれません。こうしたことから、私たち聞こえる人が、日頃様々な音に囲まれていることにも気づかされます。
どちらが劣っているかなどではなく、「何がどう違うか?」それを感じることが、授業で行っている「耳栓体験」です。
おそらく、多くの聞こえる人の想像する「聞こえない」と、実際の「聞こえない」は、ちょっと違うのではないかなと、こうした時、いつも私は、考えます。
あなたも耳栓をして、自分の家や職場周りを歩いてみて下さい。耳を塞いで目を凝らせば、新しい発見もあるかもしれません。くれぐれも、安全には、お気を付けて。
校内の木の赤い葉も、雨のしずくが垂れて。