聞こえない人に出会うということ~手話を学ぶ意味

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今年最後の、短大の中庭のもみじです。
日頃は、保育士の卵の皆さんに、手話指導させていただいていますが、先週と今週は、地元市民の皆さん向け講座。最高齢90歳の方も参加してくださっています。感動!!

今週の関東南部、寒さは一段と増していますが、快晴の日が続いています。
今回は、いつもの大もみじを下から見上げて撮ってみました。なんだか、春を生き生きと待っているように感じられます。

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実際、木の下から枝を見ると、先に小さな芽がしっかりついていて、春に芽吹く若葉の勢いが、目に浮かぶようです。

さて、市民講座では、大人向けに授業が進んでいますが、今週は、聞こえない人の体験談。聞こえない人の生活、生き方、そして何より、生きた手話でのお話にふれ、皆さんそれぞれに何かを感じていただければと思って会場に伺いました。
手話は座学も楽しいですが、勉強が進めば、さらに、実際に話せるようになりたいと多くの人が考えます。そんな時、なぜ手話があるのか?どう話せばよいのか?それを、体感できるのが、聞こえない人との出会いのように思います。目の前に聞こえない人がいることで、手話を学ぶ意味はより、胸に落ちます。その目覚めは、「学びたい」「話したい」という気持ちを後押しして、一気に心が手話に近づいていくように感じられます。
そうした出会いを、提供していくことが、私たち指導者にできることだろうと、私は考えます。

今回も、皆さんの中からは、「手話に方言があるとのこと、聞こえない人は、どうやって通じ合っているのか?」「なるほど、手話が目からも伝わった」「映画を、字幕メガネで見る人もいるのですね。」など、様々な質問や感想が寄せられました。

このほか、「デジタルの時代、目の前に通訳者がいなくても、タブレットから通訳者が出てくればいい。そういう仕組み、ありますよね。」と、2コマではお伝えしきれなかったことを、ご質問くださった方もおられました。この方のご質問については、「電話リレーサービス」や「遠隔通訳」があることも、皆さんとシェアさせていただきました。

「難聴の妻に、何十年と手話を学んでほしいと言われ続けてきたが、今やっとその手話に触れてみようと、この講座に来た。帰ったら手話を妻に表現してみようと思う。」という熱い思いを持った方も。

初心者向けということで準備した内容ですが、最初に想像したよりも、深い講座となり、私たちの方が感動をもらいました。

たった2回の講座でしたが、参加された皆さんが、「生活や人生が、ちょっと豊かになったな~」と思っていただけるようなものになればいいなあと願っています。
手話を学ぶとき、聞こえない人と出会うことは、宝物です。

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皆さんがいつものレポートで見慣れたもみじを、ちょっと遠景で。春近し。感謝。