「旗日」の衝撃!!笑

毎年春は、新入社員研修の手話通訳に出向きます。新しい出発に、喜びや元気の溢れる季節です。
今年も、2週間にわたる研修に、お伺いしました。

その通訳中のことです。
育成担当の方からの事務連絡で「皆さんからの質問を、金曜日に受けた場合、土日祝日を除いて、3営業日以内に返信させていただきます。」と、説明がありました。

この時!!
私たちと一緒に現場に臨んだ手話通訳士は、かつて学んだ通り、ごく当たり前のように!
「祝日を『旗日』と表現」して、その内容を伝えました。
ろうの新入社員の方も、うんうんとうなづいていましたが、その後休憩時間に「あの・・・この手をクロスさせてひらひらさせるのは、何でしたか?実は、分かりませんでした。」と質問されたのです。大汗

「え?なるほど!この手話ですね。これは『旗日』という手話で『祝日』を意味しています。ご存知ない手話でしたか!失礼しました。」とお伝えしました。

これです。
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「祝日/旗日」
(胸の前で腕を交差させ、4指をそろえてハタハタ(ヒラヒラ)させる。
祝日のヒノマル飾りをイメージ。)

まだ20歳になったばかりの彼は、その手話を初めて見たとのことでした!驚
そこで私たちは、考えました。
「彼が、それまで学生だったから、祝日という言葉に、無頓着だったのか?」
「ろう学校で、何か特別なスクールサインがあったのか?」
「いや!!!もしかして!!!」
と!
私たちは、その休憩中、すぐに他の一般の聞こえる新入社員の皆さんに、聞きました。
「あの・・・『旗日』という言葉を、知っていますか?」
すると・・・
なんと、6人中5人が!!
「いえ、それは何ですか?知りません。」
と答えたのです。
ただ一人、知っていると答えた社員は、大学院卒でいろいろ社会経験のある25−6歳だとかで、その人だけが!
「ああ、祝日のことですね。ほら【むかし】祝日に、旗をクロスして飾っていたあれのことですよね。」
と言ってくれたのです!!!!

そう。今時の20代にとって、【旗日=む・か・し!!】驚〜〜〜〜〜〜〜!!

ろうの新入社員の方が、この言葉を知らなかったのは、祝日に無頓着だったからでも!ろう学校卒だったからでも!なく!!【若い世代だったから、そんな文化を知らなかった】のが!!理由でしたぁ!!!
私たち手話通訳士は、全員でしゅんとなりました。
「彼らは若い!私たちは昔の人・・・」大笑

私は、その場ですぐに、40代のろう者手話指導者に、ラインで連絡。
「今時の若者は、『旗日』という手話を知らないの? じゃ!『祝日』は、どう表現するのさ!!!!!」
またまた、即答で戻ってきた返信には、
「そうですね。もう、10代20代にその手話は通じなくなってきましたね。僕も時代が変わっていくのを感じてます。」
と書かれており、最近よく見る「祝日」の動画も添付してくれていました。
ありがとう!ありがとう!!ありがとう〜〜〜〜!!

今時の「祝日」は、こうですっ!
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「祝日」=「祝う/おめでとう」+「日」
⚪︎祝う=すぼめた手を上に向かってパッと開いて表現。打ち上げ花火のイメージ。
⚪︎日 =指で「日」の漢字の形を表す。

やれやれ・・・それは、ほんの15分の出来事。
私たちは、その後も気持ちをしっかり持ち直し!笑 一生懸命通訳いたしました。
時代を教えてくれた、2025年新入社員の皆さん!!ありがとうございました!!大汗&大笑
人生は、いつ何時(なんどき)も!勉強であるっ!!