手話ミュージカル終了に寄せて

今回の手話ミュージカルは、
参加した難聴のメンバー、
また、聞こえないお子さんを育てている
お母さん方の体験などをもとに、
構成させていただきました。

今までの、お笑い路線とは、
ちょっと違い、
少し考えさせられる内容だったと思います。

にもかかわらず、ステージ終了後、
聞こえるお客様達からは、
「聞こえない子供を持ったお母さん方の気持ちがよくわかった。」
「聞こえない人にとっての手話への思いが伝わってきた。」
「ここ数年で一番良い舞台だった。」
「この作品で、各地を回ってはどうか?」
子供たちからは、
「聞こえない友達の、気持ちがわかった。
手話のことを、もっと知りたくなった。」
また、聞こえない方からは、
「言いにくいことを、ちゃんと言ってもらえて嬉しかった。」
「わたしたちが言いたかったのは、このことだ。」
「とても感動した。」
と、今までより一層、好意的な感想をいただき、
ちょっと、驚いています。

耳の聞こえない子供を持つお母さんの、
子育ての悩み。受け入れがたい事実。
そこを乗り越えていく、勇気と愛情。

聞こえない子供が、聞こえる友達の中で、
コミュニケーションがうまくとれず、戸惑う姿。

これらを、ほんの1時間半のステージで、
どう表現していいのかわからなかったし、
果たして、この内容で、お客さん達が、
受け入れてくださるのかも、確信がありませんでした。

今までのきいろぐみの作品は、
どちらかと言うと、
お笑いを多く取り入れる努力を、
たくさんしてきました。
「考えさせられる内容」や、「問題作」ではなく、
「ばかばかしくて、みんなが笑える」作品づくりです。
なぜかと言うと、
それこそが、本当の「普通」であり、
手話でのお笑いこそ、
多くの聞こえる人にとっては、
「そうかあ・・・聞こえない人とか手話って、
不幸とか不便とかそういう観点から見るものじゃなく、
ごく普通に、例えば外国人のように、
言葉や生活形態が違うだけで、
多くの人と同じように、ばかばかしいこともするし、
恋もするし、失恋もするんだよなあ・・・・!!」
なんて、発見をしてもらえるのではないかと思って来たし、
聞こえない人にとっても、
そんなに多くない、手話によるストレートな、
ばかばかしいお笑いを見てもらえるチャンス作りになる。
そう考えてきたからです。
私たちにとっては、
それこそが、「内容がない」のではなく、
「内容と意味があった」と、確信してきたからです。

ただ、今回は、
ある意味、出会いに導かれ・・・

一般公募で来てくれた難聴の若者たちの
聞こえる友達に囲まれた日々の悩みを目の当たりにし、
聞こえないお子さんを育てているお母さんたちの現実に直面し、
戸惑いながら、
作品を書きました。
もちろん、書くからには、一生懸命書いたつもりです。

ただ、本当に、これでよかったかどうか、
うまく描けたかどうか、
今持って、確信がないのも事実です。
今回の作品は、
わたしにとっては、たぶん、皆さんが思う以上に、
勇気が必要でしたし、
今までにないくらい直前まで、迷って、何度も書き直し、
メンバーにも面倒をかけました。

皆さんの感想からは、
お客さんたちも、
私たちの何かを持って帰っていただけたのかもしれない・・・
そんな思いでいますが、
さて・・・・これから、どうしよっか・・・・
そんな、迷った気持ちを、ぶら下げたままでもあります。

私は、手話やろう者をテーマにするにあたり、
「問題作をつづる」必要があるとは、思えない。
これが、私の正直な気持ちであるのも事実です。

でも、確かに、
聞こえない若者たちは、
自分たちが聞こえない事実に、迷い、悩み、
壁にぶつかり、
何かを探そうと、必死にもがいている。

この、つきつけられた事実に、
私もまた、この夏は、
戸惑い、悩み、答えが出せずに終わろうとしている気がします。

これから、きいろぐみが、
どんなものを皆さんにお伝えしていけるかわかりませんが、
また、多くの出会いとともに、
熱い心を、表現していければと思います。

私たちの表現活動を、いつも応援してくださり、
素晴らしい夢の世界を浮かび上がらせてくださっている
会場「ひまわりの郷」のスタッフの皆さんにも、
心より感謝申し上げます。
本当に、ありがとうございました。

花.jpg
お客様から、お花など、
いろんな贈り物もいただき、
本当に、いつも、感謝です。
ありがとうございます。

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